信越トレイル

トレイル概要Shin-etsu Trail Overview

里山を巡る全長110㎞のロングトレイル

信越トレイルは長野県と新潟県の県境に連なる全長110㎞のロングトレイルです。
このトレイルは、関田(せきだ)山脈エリアと苗場山麓エリアに整備された
豊かな自然と人の暮らしが共存する幾多の里と山を結んでいます。

信越トレイルマップ

信越トレイルの礎をなす「信越トレイル憲章」

信越トレイルの理念を築き、活動の根幹を形作る礎として、「信越トレイル憲章」は加藤則芳氏によって提唱されました。
この憲章が信越トレイルの理念となり、それに賛同する地域や人々の理解と協力により、今に受け継がれています。

豪雪の文化、ブナの森、歴史に彩られた関田(せきだ)山脈

日本海から30㎞、長野県と新潟県の県境に位置する関田(せきだ)山脈は、かつて信州と越後の人々の生活や文化を結ぶ交通の要所として16もの峠道を有していました。
古くは親鸞聖人の布教の道、戦国時代には上杉謙信が川中島の戦いに峠越えをして出兵したとも伝えられます。

標高約1000mのこの山脈は、冬には積雪が8mを超える世界でも有数の豪雪地帯であり様々な自然が今もなお残されている里山には、国内でも貴重な、原生に近い状態のブナ林や植物を見ることができます。

苗場山麓、信越にまたがる秘境秋山郷

新潟県津南町と長野県栄村の県境、苗場山麓の中津川上流に秋山郷と呼ばれる地域があります。
西は鳥甲山、東は苗場山に囲まれた深い谷合は、その険しい地形や短い日照時間、冬の豪雪など過酷な環境ながらも古くから人が生活を営んでいました。
秋山郷はその雪深さ故に近代までは冬になると外部との交通が一切閉ざされることから、古来より独特の文化が育まれ、それは今も色濃く受け継がれています。
また、中世に平家一門の平勝秀が源頼朝に敗れて草津より逃げ延びてきて住み着いたという落人伝説でも有名です。

「歩くこと」そのものを楽しむトレイル

信越トレイルは自然や里のなかを「歩く」ことそのものを楽しむトレイルです。
多くの命を育むブナの森に癒され、はるか遠くに望む日本海や山並みの絶景に言葉を失い、峠を越えたいにしえの旅人に思いを馳せ、秘境に残る里の生活や食文化に触れる…

この地域独特の自然や文化、その地域に暮らす人たちとのふれあいを感じ、長く歩くことでそれらをより深く体感できる。
それが、信越トレイルの魅力です。

信越トレイルは地域によって
支えられています。

信越トレイルは地域の方々、周辺自治体、協賛企業、そして多くの整備ボランティアによって維持されています。その取りまとめの役割を担うNPO法人信越トレイルクラブでは、「生物多様性の保全」をガイドラインに掲げ、この地域の一帯の自然が何十年、何百年も同じ姿であり続けるために、自然にやさしいトレッキングルートの維持管理を行っています。

信越トレイル・ストーリーズ

信越トレイルは、いかにして人々を魅了し、ロングトレイルの旅へと駆り立てるのか。加藤則芳氏が込めた理念、誕生のヒストリー、トレイルを支える地域の人々。それらのなかにある「他にはない何か」を再発見すべく、長年、信越トレイルを取材してきた「TRAILS」の編集チームが監修・制作した記事シリーズ。