平成12年度の国土交通省(当時、建設省)による「北陸地域の地域づくり戦略」事業に基づく活動の一環として長野・新潟両県の有識者で構成する信越トレッキング委員会(設立当初は「信越エキゾチックトレッキング委員会」)が設立されました。さらに平成13年度には地元関係者を中心に「関田山脈歩くルート設置推進連絡会」が発足し、新潟・長野の県境に位置する関田山脈にトレッキングルートを設置することによる地域連携、活性化に関する調査、研究が行われるようになりました。調査、研究は平成14年度で終了しましたが、3年間の調査、研究の実績として関田山脈のトレッキングルート設置が具体化し、平成15年度には関田山脈のロングトレッキングルート(信越トレイル)を実現すべく信越トレイルクラブが発足しました。
平成16年度から平成21年度にかけて、信越トレッキング委員会当初からかかわっていた3市町村に、さらに周辺の4市町村や民間団体などが加わり両県16市町村(合併後9市町村)からなる「信越地域観光交流推進協議会」が発足。信越トレイルを核とした“ブナの森”と“歩き”から「信越地域の自然・歴史・文化に触れ、守り・学び・伝える新しい観光のかたち(エコツーリズム)」をテーマに、県・市町村を越えた地域連携と交流を復活させ、信越地域の観光交流空間の形成を実践してきました。
平成16年10月、関田山脈にトレッキングルートづくりを進めている信越トレイルクラブと、ルートが通る国有林を管理する林野庁中部森林管理局北信森林管理署と関東森林管理局上越森林管理署が、ルート整備や維持などで協力する協定を締結しました。この協定は、国有林内の信越トレイルが適切に維持・管理されることを目的としたものであり、調査・整備等の際の人的支援や作業の際の技術指導、入林届け等の提出書類の簡素化が図られるようになりました。
平成20年9月、信越トレイルの全線開通に伴い、更なる連携体制の強化、信越トレイルの維持管理体制の構築、より一層の利用促進を目的とし、長野・新潟両県において「新潟県信越トレイル利用促進連絡会」、「信越トレイル維持活用推進連絡会(長野県)」が設立されました。平成25年には両連絡会が統合し「信越トレイル連絡会」が設立されました。連絡会は長野、新潟県及び信越トレイル周辺の市町村、観光協会、NPO団体、企業によって構成されており、利用と保全の両面から検討がなされています。
また平成21年度からは、信越トレイルの持続的な維持管理を推進するため、連絡会による整備担当区域制が導入され、周辺自治体や関係団体が範囲を受け持って、信越トレイルの整備を実施しています。